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地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2019年08月号発行分)

『日本統治下の朝鮮シネマ群像 −戦争と近代の同時代史』●下川正晴著

書影

近年、日本統治下のソウルで制作された朝鮮映画フィルムが、北京・中国電影資料館などで相次いで見つかり、記録された生々しい朝鮮社会と人々の姿が、日韓の研究者に衝撃を与えているという。『青い山脈』や『ひめゆりの塔』で戦後のヒューマニズムを代表する監督と称される今井正の『望楼の決死隊』もその一作で、国境警備駐在所夫人役の原節子がモーゼル銃で朝鮮独立運動のゲリラを撃退するシーンが描かれる。今井は何故国策映画に与したのか、どのような思いであったのか。
「自分の犯した誤りの中でいちばん大きい」との言葉も紹介する。巻末に、詳細な年表「朝鮮シネマの社会文化史 1935〜1945」と「朝鮮シネマ人物事典」が掲載され、国策映画の全貌が俯瞰できる。日韓関係が悪化する今日、日朝映画人の軌跡を追い、映画という視点から植民地朝鮮の真相に迫ろうとするものである。発掘された映画の多くは韓国映像資料院発刊のDVD選集で観ることができる。
◆2,376円・四六判・325頁・弦書房・福岡・20190530刊・ISBN9784863291881

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『明智光秀と近江・丹波 −分国支配から「本能寺の変」へ』●福島克彦著

書影

明智光秀がなぜ信長を殺害したのか。古来よりさまざまな説が唱えられてきた。古くは怨恨説、野望説など光秀個人の心情に起因するものが大半を占めていたが、近年では足利義昭や朝廷らが関与した黒幕説、さらには四国政策説などが主流となりつつある。まさしく百花繚乱の様相を呈する。坂本竜馬暗殺と同様、歴史ファンならずとも日本人の誰もが関心を抱く歴史的事件だといえるだろう。
だが、信長殺害の動機解明に躍起になるあまり、ともすると光秀の戦国武将としての評価が見落としがちになる。これは光秀にとっても不本意であろうし、何より歴史的本質を歪めてしまう恐れもある。信憑性のある史料に依拠しながら戦国武将としての光秀がいかにして分国支配を行ったか。それが本書の一貫したテーマである。近江や丹波攻略の際の国人(国衆)との駆け引きなどを見ていくと、秀吉流のしたたかさをも兼ね備えた、従来のイメージとは異なる新たな光秀像が浮かび上がる。
◆1,620円・四六判・184頁・サンライズ出版・滋賀・20190611 刊・ISBN9784883251957

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『知能犯之罠』●紫金陳著/阿井幸作訳

書影

日本で知られている中国のミステリー作家はまだ少ないが、息をつかせぬ展開でミステリーの醍醐味を味わわせてくれるのが本書である。舞台は中国の架空の県、白象県。公安局副局長が車中で心臓をひと突きされた死体で発見される。防犯カメラの映像からすぐに事件は解決すると思いきや、手掛かりは得られず、そんな警察を嘲笑うかのごとく、第二、第三の殺人が起き、失踪者も出る。捜査に行き詰まった指揮官の高棟は旧友で、犯罪心理学を学び、頭脳明晰でアメリカで銀行の幹部として活躍する徐策に協力を仰ぐが、実は徐策こそが犯人であった。防犯カメラ頼りの捜査を逆手に取り、綿密な計画殺人を遂行する徐策だが、ついに高棟は彼の犯行に気づく。
しかし、恐るべき計画は想像を超えた結末を迎える。至るところに張られた伏線、さらに保身のみに縛られる警察や、あらゆるコネを犯行に利用する犯人など、現代中国の姿も描かれ、極上の倒叙ミステリーが楽しめる。
◆1,998円・B6判・361 頁・行舟文化・福岡・20190531 刊・ISBN9784909735027

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『江戸幕府代官頭 伊奈備前守忠次』●和泉清司著

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徳川家康の関東入国にあたって、領国形成と生産力の把握、新田開発等を実務面から支えた伊奈備前守忠次については、その有能さを示すエピソードがいくつか伝わっている。秀吉から「もし自分の家臣になるならば、すぐさま一万石を与えよう」と誘われたが固辞した、などというのもその一つ。忠次は、その陣屋を構えたとされる現在の埼玉県北足立郡伊奈町を中心とした地域では、利根川東遷等の河川改修や土木治水によって地域の基礎を築き、「備前掘」や「備前堤」といった川名地名にその名残を留める地元の偉人である。忠次の生涯を史料を基に描く本書を読むと、そんな江戸初期の関東地域での仕事が実のところ忠次の事績のほんの一部でしかないことがわかる。
興味深いのは、三河の一向一揆の後、家康の元を一度離れることになった若き忠次が諸国を流浪し、この時期に土木技術等を身に付けたらしいとされているところだ。詳細は不明ながら忠次はこの時期いったい誰の元でどのように学んだのか、想像を掻き立てられるところである。
◆2,700円・四六判・319頁・埼玉新聞社・埼玉・20190524刊・ISBN9784878894985

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『北京1998 中国国外退去始末記』●中津幸久著

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1998年ひとりの日本人新聞記者が、中国政府から国外退去と5年間の入国禁止を言い渡されました。本書はその当事者となった記者の手による当時の記録です。突然の拘束から連行、そして長時間の取調べ。国家の機密を暴露したという自らの記事を示され、取材源を自供するよう求められます。しかし著者は取材源の秘匿という原則を守り通し、ついに上記の処分となったのでした。著者の推測では、取材源である人物に不利な証言をすることを求められたのだろうとのこと。手練手管を駆使して不都合な情報を統制しようとしているのがわかります。
そして2017年に久しぶりに中国を訪れた印象からは、統制は決して緩んではいないとも感じています。もちろん著者以外のマスメディアも色々な制約を受けながら中国で取材を続けてきました。そうした歴史についても触れられています。私たちが受け取る中国からのニュースが、一筋縄で送り出せるわけではないことを痛感させられます。
◆1,620円・四六判・296頁・中国書店(集広舎)・福岡・20190604刊・ISBN9784904213742

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