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地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2019年10月号発行分)

『私説・古代出雲 「カミの支配」から「人の支配」へ』●原 一征著

書影

日本列島で国家が発生した時期について、7世紀とする古代史の定説や、倭の五王以降5世紀後葉から6世紀にかけてとする説、卑弥呼が没する3 世紀中頃とする説等があるが、著者はこれらの各学説が「人(王)の支配」を前提としていると指摘する。島根県の荒神谷遺跡から出土した青銅器等を分析すると古代出雲では弥生時代から「宗教(カミ)の支配」が行われていたとみられるが、ではカミが支配する部族連合体は国家と言えるのか。
著者は国家の三要素である領土、領民、主権(統治権)を古代出雲に当てはめて検討し、そこでは宗教による神権政治が行われており、古代出雲神政国家が存在していたとするのである。だとすると、古代出雲神政国家はいつどのようして終焉し、人が支配する「王国」へと転換することになったのか。本書は、荒神谷遺跡や志谷奥遺跡、田和山遺跡、友田遺跡等古代出雲の遺跡群を宗教学的な、あるいは人類学的な想像力をもって考察し、その変遷の様を解明していく。
◆1800円・A5判・210頁・山陰中央新報社・島根・201907刊・ISBN9784879032300

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『ヤナギ通りのおばけやしき』●ルイス・スロボドキン作/小宮由訳

書影

「一年のうち、ある一晩だけヤナギ通りに住んでいる子どもたちが、おとなたちにゆるされていることがあります。それはへんなふくをきたり、こわいおめんをかぶったり、顔に色をぬったりして、人を驚かせることです…」。そんなハロウィンの夜のこと。普段は誰も住んでいない、垣根が茫々で暗くて古い家、「ヤナギ通りのおばけやしき」の窓に明かりが灯っていることに二人の子どもたちが気づきました。「見て、明かりよ!」と子どものうちの一人、リリーが思わず叫びました。「ここにいってみようよ」とビリーが答えます。「ママは、ヤナギ通りの家ならどこだっていいって、いってたよ」。そう言って真っすぐ玄関まで歩いていくと止める間もなくチャイムを鳴らしてしまいました…。
まるでこわい映画の始まりのような冒頭場面ですが、いえいえ、ほんもののおばけが出てきたり、こどもたちが怪物にたべられてしまうわけではありません。玄関のドアが開いて、「ヤナギ通りのおばけやしき」から出てきたのは??
◆1500円・A5判・55頁・瑞雲舎・東京・201909刊・ISBN9784907613273

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『書評稼業四十年』●北上次郎著

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本に関する情報が満載の月刊誌「本の雑誌」。1976 年に目黒考二、椎名誠らにより創刊されたが、著者の「北上次郎」は目黒考二が書評を書く際のペンネーム。「本の雑誌」創刊号にも、この名でミステリー時評を掲載している。本書は書評家として四十年以上を過ごしてきた著者が書評稼業に的を絞った回想録。中学を卒業する春休みに少年野球のチームメイトの影響で初めて読んだ本が松本清張の『点と線』。以後、大衆小説に親しみ、五木寛之や野坂昭如の登場で中間小説誌の愛読者にもなる。
1960年代後半は「小説現代」「オール讀物」「小説新潮」といった中間小説誌が最も売れた黄金時代であり、その考察も興味深い。書評仲間及び編集者や作家のエピソード、書評家の副業で圧倒的に多いのは新人賞の下読みといったこぼれ話も楽しめる。とあるファンが送ってくれた著者の「解説文庫リスト」がきっかけで作り始めたリストと著作一覧も収録。四十年の絶妙な歩みが窺える。 いろいろな裏話もあって面白かったです。
◆1700円・四六判・269頁・本の雑誌社・東京・201907刊・ISBN9784860114329

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『土と生きる −川辺川ダム水没予定地に暮らし続けた夫婦』●小林正明著

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人の個性は年を取ることで変わるものではない。亡くなることで個性は消える。そして新たに生まれた人の個性が育ち、入れ替わることで時代は動いていくものなのだろう。この本では、川辺川ダム建設のために高台へ移転した熊本県五木村の役場所在地 頭地の旧集落に最後まで残り住まれた老夫婦の暮らしに焦点を当てている。
76枚のモノクロ写真とそのキャプション、8ページの本文というシンプルな構成は、人が持つ本質を引き出している。昭和一桁生まれの老夫婦は、10年間1戸だけの旧集落で過ごされ、晩年の2年間はご主人だけが残られた。ご主人の古里への想い、畑の土への想いは、紙上に残すことはできてもそのまま伝えることはできない。ご主人は、令和の世を迎える直前に亡くなられた。馬小屋を併設した老夫婦の家も、消えていくことだろう。「1戸残った」というダム建設地の環境が、誰もがたどる老いへの道のりを特別なものとしている感がある。
◆4400円・237mm×255mm判・95頁・花乱社・福岡・201908刊・ISBN9784910038025

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『子どものすきな神さま』●新美南吉・作/西條由紀夫・絵

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絵積もった雪に顔を押し当てて遊ぶ子どもたち。13人なのに顔形が一つ多い。神さまが来ているに違いない。つかまえよう。慌てた神さまはのっぽの子どもの股をくぐり、小さな赤い靴を落として森に逃げ帰る。子どもたちは神さまはこんな靴をはいていたんだと笑いこける。明るくいたずら好きな子どもたちと、子どもが大好きなのにちょっと気弱な神さまのユーモラスな物語。教訓や、取り立てて感動のドラマがあるわけでもないのに心が躍る。
西條由紀夫の絵は、無邪気で、好奇心に目を輝かせる子どもたちの豊な表情を生き生きととらえ、雪に顔を押し当て、子どもの股をくぐり、森の木の枝影から遊ぼうと呼びかける姿の見えない神さまの想像かきたててくれる。雪の上の小さな靴の赤と、それを面白そうに見つめているであろう子どもたちの長靴の黒のコントラストが印象的だ。新美南吉生誕105年記念事業・第2回安城市新美南吉絵本大賞(おとなの部)最優秀賞受賞作品。
◆1300円・182mm×257mm判・24頁・サンライズ出版・滋賀・201907刊・ISBN9784883256624

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『ゲンパッチー −原発のおはなし 子どもたちへのメッセージ』●ちづよ著

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ある夜、子どもたちのもとへ折り鶴たちが、「イキルスベ」を教えてくれると言って訪ねてきました。折り鶴たちに誘われて子どもたちは電気がどこから来るのかを見に行くのですが、そこで原発の抱える問題点について知ることになります。原発は事故があると危険なだけでなく、日常的に被曝労働が必要になること、使用済核燃料が次々と生まれることなどもわかりやすく解説されています。そして国はなぜ核燃料サイクル計画に固執するのか。核燃料サイクルを止めると外国には核兵器開発を疑われ、一時的に貯蔵している自治体からは運び出しを求められてしまうからです。しかし核燃料サイクルは完全に破綻。この状況での原発再稼動など正気の沙汰とは思えません。原発は後世まで長くツケを残してしまいます。
そしてひたすらに経済性を追求するだけでよいのだろうかとも問いかけます。広く若い世代に読んでもらい、自らの「イキルスベ」を選ぶ一助になればと思います。
◆1500円・A5判・304頁・石風社・福岡・201908刊・ISBN9784883442867

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