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地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2020年04月号発行分)

『ジソウのお仕事 −50の物語で考える子ども虐待と児童相談所』●青山さくら/川松亮著

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痛ましい子ども虐待が報じられない日はない。お陰で「ジソウ(児童相談所)」なる言葉も定着したが、それは対応の不手際に対する批判を伴ってのことが多い。でも私たちはどれほどジソウについて知っているだろうか。青山さくらさんは児童福祉司として長くジソウに勤務し、年間100件以上の対応ケースに忙殺されている。子どもや家族、施設・学校の先生と面接し、関係機関と協議して養育環境を調整する、いわば子どもたちの仮親であり、入学式や授業参観、運動会にも出かける。そうした日々の体験から、子ども虐待について考え、子どもと家族の姿を知ってほしい、何よりジソウとそこで働く人たちの思いや葛藤を伝えたいと綴ったショートストーリーに、社会福祉士の川松亮さんが、用語、虐待対応の現状、支援のありかた、ジソウの今後などについて解説を加える。
虐待通告が入って駆けつけると、殴られそうになっても歓迎されることはない。保護すれば誘拐、税金泥棒と怒鳴られる。祖父からのおぞましい性虐待の闇に怒りの沈めようがない。折角心を開きかけたのに、制度的限界で踏み込めない。英国の十分の一しかいない我が国のソーシャルワーカー。育成もままならない。戸惑い、やるせなさ、憤慨、悩み。それでもかすかな希望を持って子どもの味方になり、親子の幸せを考え、自らの良心に問いながら働く。ジソウとそこで働く人たちの存在意義を深く考えさせられる。
◆1800円・四六判・253頁・フェミックス・神奈川・202001 刊・ISBN9784903579955

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『甲賀忍者の真実 −末裔が明かすその姿とは』●渡辺俊経著

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忍者というと忍び装束で颯爽と忍術を使う…わけではないことも最近は広まりつつありますが、それでは実際にはどのような存在であったかというのは知られていないのではないでしょうか。著者はかつて尾張藩に仕えた忍者の子孫。実家に眠っていた史料も駆使して甲賀忍者の実態に迫っていきます。特殊な職業集団のように思われる忍者ですが、甲賀忍者とはすなわち甲賀武士のことを指します。彼らが世に出たのは室町時代、将軍足利義尚が近江の六角高頼を討伐しようとした鈎の陣という合戦でした。
甲賀武士は六角方について戦い、ゲリラ戦を展開して将軍方を苦しめました。この時の活躍ぶりが将軍方の全国の大名たちにも伝わり、甲賀武士=甲賀忍者の名が一躍全国に広まりました。その活躍ぶりの理由として、甲賀の武士特有の高い自律性や修験道等との関わりの中で身に着けた知識や情報収集能力などがあったことが示されます。また本能寺の変後の徳川家康の逃亡劇、いわゆる「神君伊賀越え」にも関わります。多くの史料を比較して、実はそれが「伊賀越え」ならぬ「甲賀伊賀越え」であったことを解き明かす章は本書の読みどころのひとつでしょう。一方平和な江戸時代には忍者も公務員化していきます。代替わりに誓約書を提出したり、上司に報告書を提出したりする姿はイメージの中の忍者とはかけ離れています。甲賀忍者の成り立ちから平和な時代の処世まで、意外な忍者の正体を探っていきます。
◆2400円・A5判・151頁・サンライズ出版・滋賀・202002刊・ISBN9784883256754

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『坂本・中岡謀殺事件の真実 −大政奉還派に誅殺された海・陸援隊長』●中名生正己著

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慶応3年(1867)11月15日夜、京都河原町の近江屋において坂本龍馬・中岡慎太郎ら三名が殺害された誰もが御存じの事件。これに多くの人が今なお関心を注ぐ理由に、犯人が未確定であるのに加えて当時の政治情勢と深く絡み合っているからだろう。実行犯については、当初現場に残る遺留品などから新選組説ではないかとされたが、明治2年(1869)の箱館戦争で降伏した京都見廻組の一人、今井信郎の自供によって龍馬暗殺はかれらの犯行であることが明らかとなる。
以後、現在に至るまで見廻組説が有力だ。問題は誰が殺害を命令したのか、果たして黒幕の存在があったのか、それともなかったのか。武力倒幕を推進する薩摩藩陰謀説、あるいは、「いろは丸事件」による紀州藩報復説などがある中、京都見廻組の上司である京都守護職・松平容保の会津藩説が現在もっとも有力視されている。さて本書はというと、土佐藩黒幕説を主張する。と言っても後藤象二郎や岩崎弥太郎が登場するわけじゃない。今井の供述は不審の点が多いことから偽装工作があったとし、かれを取り調べた兵部省及び刑部省により捏造されたものだという。当時の両省には土佐藩関係者がおり、坂本・中岡の名誉回復の目的のために犯行を幕府の手の者に押し付けた。かれらがそこまでするには真犯人が土佐藩内部の者だから。近江屋に事件直前までいた岡本健三郎ほか二名の下級藩士が実行犯。命令したのが大政奉還派の寺村左膳だと推論する。
◆2000円・A5判・212頁・歴研・東京・202001 刊・ISBN9784865480900

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『諏訪の神さまが気になるの −古文書でひもとく諏訪信仰のはるかな旅』●北沢房子著

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神社巡りが好きな女子が、勇壮壮大な諏訪大社の御柱祭に行ったことがきっかけで、謎だらけ、不思議だらけの諏訪大社に引き寄せられ、深い霧に迷い込んでいく…そんなストーリーが思い浮かびそうな、軽快な文体が魅力の諏訪大社百科事典と言える一冊。読んでいて楽しいのは、まずそのラノベ風な話体文。「え?!」「うーん。」「はあ?」と、まるで女子トークを聞いているような淀みのない明るさが、すらすらとページを先へ進ませる。と言って、その内容は対照的で、諏訪大社の信仰、祭神、歴史、システムにまつわる謎を解いていく重厚なものだ。諏訪信仰の謎を解く面白さに目覚めてしまった著者は、関連古文書を読み解くために、まずは長野県立歴史館の古文書講座・初級コースに通うことから始めた、という。
そんな努力の結晶となった本書は、四本の御柱に倣って四部構成になっている。もし、祭神の謎に興味があるならば、第1 章「建御名方神の巻」から読むのがいいだろう。諏訪信仰の歴史を知りたいなら、明治になるまで諏訪明神の化身として崇められていたという大祝(おおほうり)について詳述した第2章「大祝の巻」がおすすめである。第3章「神長の巻」では、建御名方神諏訪入り前の土地神だったと伝わるモリヤ神と、その子孫とされる守矢氏の視点から諏訪信仰史が語られる。第4章「ミシャグジの巻」では、おそらくは縄文時代にも繋がるだろう諏訪信仰の最古層にいる土地神、ミシャグジの謎に迫る。
◆1600円・四六判・262頁・信濃毎日新聞社・長野・202001 刊・ISBN9784784073542

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『ブードゥーラウンジ』●鹿子裕文著

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福岡市中央区天神は言わずと知れた九州で一番巨大な街で、話題の店が次々と出店し、開発されきった感があるが、そんな天神にも再開発の手が及んでいない野性的な地区がある。そのひとつが「北天神」と呼ばれている一帯で、そこにはライブハウス「ブードゥーラウンジ」がある。くたびれた雑居ビルの三階に店を構え、お世辞にも洒落ているとは言えないが、強力な磁場として人々を吸い込み、店はいつも“はみだし者”たちの熱気と狂気に溢れている。
そんな「ブードゥーラウンジ」のイベントを企画、司会進行まで何でもこなすのがバンドでも活動中の「福岡一忙しいミュージシャン」ボギー。レギュラーイベントに登場する面々もクセ者揃いだが、いろいろなタイプのバンドがひしめき合い、人は理屈抜きに音楽で幸せを感じ取れる。ボギーの実弟オクムラユウスケもギター一本で歌うミュージシャンだが、降りかかった悲劇を越えた後の鬼神ドラマーとのセッションシーンは圧巻。当時の店はビルの建て替えのため2016年末で閉店したが(移転先で営業中)、ラストイベントの様子からもファンの思いが火傷しそうなほどに伝わってくる。福岡出身で地元の宅老所を描いた前作で話題になった著者が放つ第二弾。ボギーの長男モンド君の似顔絵も冴えわたり、演奏曲の歌詞も心に刺さる。奥村家の家族像も表現された濃厚なノンフィクション。天井のミラーボールのモザイク状の鏡面には読者の顔も映っているに違いない。
◆1800円・四六判・447頁・ナナロク社・東京・202001 刊・ISBN9784904292921

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